初めての茶会楽しみ方教えます

【第5章】<さあ! 茶碗を回すぞ!>





さて、話は少し前後しますが、お菓子が出されるとすぐに、お点前(てまえ)をする人が茶道口に道具を置いてお辞儀をしますので、あなたもていねいにお辞儀をして下さい。

それからお点前の人は道具を持って入ってきて、お点前に取りかかります。(「お点前(おてまえ)」とは実際にお茶をたてる所作です) さて、その後、亭主が再び入ってきて正客とお話を始めます。どうぞこのときの会話は良く聞いておいて下さい。 先ほど読めなかった軸のお話や、使われている道具のお話など、ためになる面白い会話がいろいろと交わされます。

一服目のお茶が出来ますと、それが正客に出されます。
大寄せの場合ですと通常は、もう一つの茶碗で次客の分のお茶を点て始めるのが普通です。
同時に亭主からも「三客さまから点て出しで失礼します」などと挨拶があって、陰から順次お茶が出てくることは先ほど申しあげたとおりです。

さて、いよいよお茶をいただくところまでたどり着きました。でも、これをどうやって飲んだらいいんでしょう?

ここまで万全の気構えでたどり着いたあなたです、ここで気を抜いてはいけません。 こんなときも、自分の所へ茶碗がくる前に、しっかりと先にお茶を頂いている人の動作を見ておくことをお忘れなく。
「他の人の真似をする」 これが初めて茶会に臨むあなたのキーワードなのですから、それを怠ってはいけませんぞ。 実際、それが役に立つのです。

ライン


さぁ、いよいよ自分の前に茶碗が出されました。 持ってきた人が一礼しますのでまずこれに礼をします。

つぎに、茶碗を右手でとって畳のヘリうち(自分の目の前に畳のヘリがありますからそれより自分側)の、上座側に置いて上座の人に「お相伴させていただきます」と挨拶、次に下座側に置き直して下座の人に「お先に頂戴いたします。」と挨拶、それから膝前正面に置いて「お点前頂戴いたします」と挨拶してからいただきます。

ただし、混み合っている場合や隣の人と同時にお茶が出されたときなどは、膝前で「お点前頂戴いたします」の挨拶だけで結構です。いずれの場合でも、お茶をいただくことに心の中で丁寧にお礼を言います。

さて、挨拶が終わったら、右手で茶碗をとって左手のひらにのせて右手を添えて両手でおしいただき、お茶を飲めることに感謝します。それから、茶碗を右手で時計回りに2回ほど回します。

抹茶と聞くと、大概の人はこのシーンを思い浮かべるようですが、なぜ回すかご存じですか。

さきほど道具には正面というものがあって、それが自分の方に向けて出される、と言いましたよね。いま、あなたに出された茶碗も、やはりいちばん引き立つところをあなたの正面に向けて出されています。
それが亭主側の心遣いですが、あなたはそれに感謝しつつも、そこに口をつけて服むことを遠慮するのが儀礼なのです。

つまり、正面以外のところから飲むという意味で回すのですね。ですから、90度ずつキッチリ2回まわさなければならないなどという決まりなどありません。 あくまでも正面を避けるためです。

服むときは、左手のひらに乗せ、右手は茶碗の胴に添えます。 何口かに分けてのんで結構です。
お茶を残さないように最後まで服みきります。 それから口を付けたところを軽く右手の指で拭いて、指を懐紙で拭きます。 それから、先ほどと逆に反時計回りに2回まわして正面を元のように自分の前に戻します。


ライン



楽9代了入・黒楽茶碗
<さて、次に正式には茶碗の拝見、という所作があるのですが、慣れないうちは無理にやらなくても大丈夫です。 茶碗や焼き物などに興味がおありでしたら、頑張って挑戦してみて下さい。

とはいえ別に難しいことはありません。 自分の飲んだ茶碗を見るだけです。まずは縁外(へりそと・・・・自分の前の畳のヘリの向こう側)へ置いて、両手をついて全体の姿を眺めます。 それから両肘を腿につけて、前かがみの姿勢になって茶碗を両手で持ち拝見します。

拝見するときの高さは畳から10cmほどの本当に低い位置です。 万が一、間違って茶碗を落としても大丈夫なように、低い姿勢で拝見します。間違っても茶碗を高々と持ち上げて 下から眺めるなどということはしないように。(実際ときどき居るんです、こういう人)

拝見のポイントは色々ありますが、とりあず質感や手の中での納まりとか、土や釉薬のかかり具合などを見れば、だいたいのポイントは押さえられます。
それから再び畳へ茶碗を置いて全体を拝見したら、右手でとって左手に載せてから、時計回りに2度回して正面を向こう側にして、畳のヘリの向こう側(最初に茶碗が出された位置)へ置いておきます。

しばらくすると、係りの人がお茶碗を下げにきますので、「ご馳走様でした」と挨拶します。

お茶を飲む場合や拝見の場合、茶碗の置く位置などは流派によって少し違う場合があります。周りの人の所作を参考にしてください。

ところで、陰から出てくるお茶は、たいてい数茶碗という(10個一組が一般的)ものを使うのですが、正客の服んだ茶碗(主茶碗<おもじゃわん>といいます)や次客の服んだ替え茶碗は、亭主の用意した道具のなかでも大きく力の入ったものが使われます。 そのために正客が「皆さんで拝見しましょう」という意味で、その「主茶碗」や「替え茶碗」を、皆さんへ回覧することがあります。

この時も自分が服んだ茶碗を拝見した方法と同じで結構です。 拝見が終わって次の人へ送るときは、畳のヘリの内(流派によっては縁の外)の自分と次の人の間に置きます。 (この場合は茶碗は回しません。)

自分の前の人が見ているときに、自分の次の人へ「お先に」と挨拶をしておきます。 これは客同士が順番で何かをするとき(拝見の時や菓子をとるときなど)には必ず必要な挨拶ですが、まぁなぁに、忘れたら忘れたで構いません。 そのへんはドーンと大きな気持ちで!






日本茶と茶道「TOP PAGE」へ

Jump to INDEX

郁楓庵ホームページへ

homepage

. 著作・制作 郁楓庵