「新潟・木曽がむしゃら釣行記」の巻 その7


釣行日:2000年6月2日(金)〜3日(土)
天気:晴れ&雨
水温:不明




「心地よい疲れとともに」

渓をチリンチリン鈴を鳴らしながら下る。

途中突然に林道が現れてつぶれかけたプレハブが建っているすぐ脇を通る。この道は下に通じているのだろうか。

通じていればこんなラッキーなことはない。 しかし二万五千分の一の地形図をみてもこんな道は載っていないし、草に覆われたその道はどう見ても廃道である。行こうかどうしようか、迷った。行ってダメだったら、また戻ってこなければならない。そうすれば下手すると暗い中で渓をくだらなければならなくなってしまう。判断が難しい。

試しに少し先まで進んでみたら、案の定、草ボウボウで道も崩れていた。完全な廃道である。これは「君子危うきに近寄らず」に限る。結局、最初の予定通り熊の巣沢を下り、下の林道に出るコースをとることにした。

「なんだ、口ほどにも無い奴らだ」と笑ってはいけない。これは臆病なのではない。慎重なのだ。勇敢と無謀が違うように、慎重と臆病は全然違う。どんなに簡単な山や源流でもこの慎重さを忘れずに行動することが生死を分けることだということを常に頭に置いておかなければならない。

さて、熊の庭先を通らせてもらっているんだ、という謙虚さが熊さんに通じたのか(^^;、下る途中でも結局一回もその姿を見ることがなかった。林道へでてほっと一息。ここまでくればあとはどんなに暗くなろうと沢を歩くよりはずっと平気だ。

途中休憩をとる。この時初めて足に筋肉痛が起きていることに気づいた。食料長のちぇるぃさんが、リュックから「どら焼き」を出してきた。おお、ここに来てどら焼きが出てくるなんて、まさしくちぇるぃさんのリュックはドラえもんのポケットのよう。できることならすぐ車まで帰れるようにどこでもドアーをだしてほしかった。

甘いモノを食べたおかげですこし体力が回復したような気がした。再度歩き出す。

復路はただ林道を下るだけだが、これがきつい。足の疲れはそれほどではないが、つま先の細い渓流シューズのせいで両足の親指と小指が圧迫されて一歩踏み出すごとに悲鳴を上げている。

それに単調なだけに余計に長く感じてしまう。えーとこのカーブを曲がるとあともう少しだったかな。あれ、まだだった。

そんな期待と落胆を繰り返していると、さすがにあたりは薄暗くなってきた。ほんとうに暗くなる前にヘッドランプをリュックから取り出し用意する。頭から飛び出た光は、私が頭を巡らすたびにあちこちの木々を浮き上がらせる。

そして歩くこと2時間半。あたりが真っ暗になってきた午後7時半に無事に車に到着。ここで私の木曽釣行は完結した。

朝の5時に出て19時30分に帰着。実に14時間半も釣りに行っていたことになる。久しぶりの充実した釣行だった。満足のいく釣行だった。Shingoさんや、ちぇるぃさんをはじめ、すべての人、モノ、森羅万象に感謝を捧げたい。

どうもありがとう。

言いたいことはたくさんあるけれど、やはりこの言葉しか思い浮かばない。

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