無責任的野営論

VOL.12 野点の話
残雪の朝日川
野点ってなんて読むか知っていますか? 実はこれ「のだて」と読みます。 どこかで聞いたことがありませんか?

これはお茶(茶の湯)の世界の言葉です。茶室という閉ざされた空間を飛び出し、自然空間を茶室に見立てて、お茶を点て服むことを指しています。一般の人たちからみると、お茶は堅苦しいイメージがありますが、実はそれは、作法が余りにもデフォルメされ過ぎて、いかにもその作法が「面倒なもの」「煩わしいもの」として喧伝されているからに過ぎません。

お茶はもっと自由に、気楽に味わうべきものです。そう言う意味で、野点なんかはその雰囲気を味わう良い方法です。

1.「超簡単抹茶の飲み方」

「抹茶を飲むにはいろんな道具が必要じゃないの?」「なんか作法も面倒そうだし。」と、お考えのあなた! そんな心配は全然いりません。なにしろ、作法もなんにも無関係、純粋にお茶を飲むことを楽しむだけですから。それに、渓流じゃ誰も見てる人なんていませんからなんの気兼ねもいりません。

お茶なんてそんなに難しいもんじゃありません。ただ抹茶をかき回して飲むだけです。ですから極端な話をすると、お茶を点てるのにどうしても必要なのは抹茶だけです。あとは特別な道具はなにもいりません。

冷たい抹茶
では、その証拠に渓流で30秒で出来る簡単でしかもおいしい抹茶の飲み方をお教えしましょう

皆さん、渓流にはよく500mlのペットボトルを持って入りますね。 あの空きボトルとか、水筒などを用意して下さい。それに抹茶の粉末を入れ、沢の美味しくて冷たい水を入れてシャカシャカとシェイクすれば、それだけで冷たくて美味しい抹茶の出来上がりです!

        ビタミンCをはじめいろんな栄養素がたっぷりのヘルシードリンクが、釣りに疲れた身体をやさしく癒してくれます。細かい泡が出るように素早く振るのがコツです。

ワンポイントレッスン【分量:一人あたり 抹茶小さじ1杯(約1〜2g)に対して80cc〜100ccの水が最適】

2.「超簡単野点のすすめ」

野点
もう少し時間をかけるだけの余裕のある方は....
携帯ストーブとヤカンとシェラカップ、それに茶筅を用意しましょう。茶筅は「ちゃせん」と読みます。竹を細く裂いたササラのようなものです。抹茶をかき混ぜる為の専門の道具で、お茶屋さんで売っています。
高いもの(5000円)から安いもの(1500円)までありますが、一番安いもので充分役に立ちます。まずは携帯ストーブでお湯を沸かします。必ず沸騰させることが大事です。

お湯が沸く間に、渓に咲く花々でも愛でながら、心を落ち着かせるのも悪くありません。お茶の世界では、お茶室に花はかかせませんが、かの千利休はこう言っています。「花は野にあるように活けなさい」と。 とさすれば、その自然の草花に囲まれてお茶を楽しめる、そして釣りを楽しむことができることはなんと贅沢なことでしょう。 この身の幸福に感謝しなければいけません。

茶筅
さて、お湯が沸いてきたら、なにかお菓子を一口食べます。ありあわせで充分。チョコレートでも飴でもなんでも良いです。別に必ず必要というわけではありません。「もしあれば」の話ですので、なくても別にかまいません。
でも、甘いお菓子は、お茶のおいしさをより引き立たせてくれますので、できれば準備した方がいいでしょう。

お湯が沸騰したら火を止めて、カップに抹茶を小さじ1杯弱すくい取ります。 ヤカンのお湯を適量(約80cc)いれます。次に茶筅(写真)の出番です。茶筅を取って先端がカップの底に触れるか触れないかくらいの位置で前後に手首のスナップを利かせて泡が立つように素早く振ります。 クリーミーな細かい泡が立ったらできあがりですが、慣れないとなかなか細かい泡は出ませんが、だいたい10秒から15秒を目安にして下さい。 実は、流派によって泡を立てたり、立てなかったりの違いがありますが、私個人としては、泡があった方が美味しく感じます。 これは個人の好みにお任せします。

いずれにしても、よくかき混ぜ、お湯と抹茶をなじませたら出来上がり。

さあ、どうぞ一口.... 如何ですか? 簡単でしょう?

たとえばちょっと慣れてきたら小さい抹茶茶碗なんか持っていくと最高に雰囲気が出ます。
どうです? あなたも挑戦してみませんか? あなたの「釣り」の奥行きを深めてくれること間違いなし。

「渓流で野点を」.....私はこれをあなたにお勧めします! 

週刊釣りサンデー(2000.8/20.27合併号)掲載の釣行記にて郁楓氏による野点のシーンが紹介されています。  


前のページ                           次のページ 


 ご意見ご感想は連絡帳へどうぞ            このページは「12…野点の話」です。 

HOME PAGE

Copyright (c) 郁楓庵