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1.「お天気は天まかせ」 当たり前のことですが、お天気は人間の力ではどうすることもできません。 「明日から3日間、源流まで釣行するから晴れて欲しい」と願うことは出来ますが、実際に晴れるかどうかは神のみぞ知ることです。 人間の出来ることと言ったら、せいぜい前の晩「お天気まつり」をやるくらいでしょう。 でも、自分の望みのお天気には出来なくても、ある程度の予測は出来ます。いわゆる天気予報というものです。 これは100年以上にわたる気象観測のデータの積み重ねによって大成された統計的手法を用いるものです。これを利用しない手はありません。 複数日でビバークしながら源流に行く場合、行動中のお天気の動向を知ることは非常に大切なことです。 全日程で晴れると予想されるならそれほど問題はありませんが、雨が降っている場合、この雨はいつまで続くのか、どれくらい降るのか、といった情報は、その後の行動予定や最終的には生命を左右する重要な情報です。
私は実際の行動日より4〜3日前から天気図をつけ始めます。 これは全体的な気象の流れを把握しておけますから、その後のお天気の予測に役立ちますし、ウォーミングアップにもなります。 2.「天気予報で良く聞く、高気圧と低気圧のお話」 地球のお天気は早い話が空気の流れによって引き起こされる物理現象と言っても過言ではありません。 そもそも気圧とは何でしょう。ごく極簡単に言えば地球を取り巻く空気自体の圧力です。 この単位「1気圧」は水銀柱を76cm押し上げる圧力です。 これは気象の世界では1013.25hpa(ヘクトパスカル←前はミリバールと言った)に換算されます。 これがどうしてそういう計算になるのか私は知りません。 知らなくても天気図はつけられると開き直ってます。
さて、高気圧、低気圧というのは、この1013hpaより上だから高気圧、下だから低気圧、というほどに、ことは簡単に運びません。 高気圧、低気圧はまわりの気圧と比べて決まります。 低気圧と高気圧にはちゃんとした別の大きな違いがあってそれで区別されています。 空気は暖められると軽くなります。熱気球はその原理で飛ぶわけです。地球表面でも太陽の熱で空気が暖められると、その空気は上へ上へと登っていきます。これを上昇気流と呼びます。 上昇気流が起きると、その地表面は空気の密度が薄くなります。つまり気圧が他と比べて低くなります。これが「低気圧」です。 ですから低気圧では密度が薄くなった空気を補おうとまわりから常に空気が補給されています。これが空気の流れ、いわゆる風と我々が呼んでいるものです。 低気圧の特徴は反時計回りに回転しながら中心へ向かって空気が吹き込んでいます。
以上が高気圧と低気圧の簡単な「違い」です。 3.「低気圧ではなぜお天気が崩れるか」 さて、みなさんは高気圧と低気圧では、低気圧の方がお天気が悪い、曇りがちになるというのは経験的に知っていることと思います。ではそれは何故でしょう。 実は低気圧は上昇気流であると先ほど書きましたが、この上昇気流が天気を悪くする張本人と言えます。 地球上の大気には0.1〜 4%の水分が含まれています。これは通常水蒸気として空気中に含まれていますが、実は、空気の温度によってこの水分を含有できる許容量が違ってきます。気温が高い方が多く水分を含むことが出来ます。 さて、上昇気流の空気が高度を上げていくと次第に気圧が低くなりますので空気は膨張します。この時、空気は熱を放散しながら膨張しますから空気は冷たくなります。冷たくなれば水分の許容量が下がります。そこで許容範囲から溢れた(飽和した)水分は空気中を漂う微細な塵などに凝結します。これが雲の正体です。つまり上昇気流が起きるところには雲が発生するという現象が起きるのです。 例えば、空気が熱せられて上昇するときは蒸発した水分を多量に含んでいます。とくに海面では多くの水分が蒸発します。これが上昇すると巨大な雲が出来ます。それが夏の入道雲(積乱雲)です。 さて、水分が凝結したものによって雲が形成されるのはわかりました。次に、その粒が次第に多くなり大きくなるとどうなるか。じつはそれが雨です。暑い日に冷たい水のコップの表面に細かい水滴が出来て、次第に大きくなって流れ落ちるのも同じような現象です。 4.「前線に異常あり!」 ところで、熱せられた空気が上昇するだけが上昇気流ではありません。南からの暖かい空気と北からの冷たい空気がぶつかった時も暖かい空気が上に登ろうとして上昇気流がおきます。このぶつかっている部分を前線と言います。ですから前線付近はお天気が悪化します。 山の斜面に風が当たり斜面を駆け登るのも上昇気流です。 麓は晴れていても山頂にガスがかかっていることが良くあります。これも上昇気流のなせる業なのです。 逆に高気圧は下降気流ですから、逆の現象が発生しますので雲が消えますから、おおむね晴れることになるのです。 以上、お天気は単純に言えば空気の流れによる現象と申し上げた意味がおわかり頂けたでしょうか。 実は台風も低気圧の一種です。段違いに強い風と雨をもたらすでっかい低気圧だと考えて良いでしょう。 南方の海上で、強い日射で海面が暖められ大きな上昇気流が発生してこれが台風になります。 ですから、台風も反時計回りに中心に向かって風を吹き込みながら進みます。 台風が来ている中を源流へ釣りに行くバカはいないでしょうが、万が一その様な状態になった場合、自分より東側を台風が通過するときは大雨に警戒し、西側を通過するときは大雨とともに風に対しても警戒が必要になります。台風は概ね南から北へ移動しますが、これは南から吹いている風に流されているためです。 ということは、台風の南北を中心として東側は台風自身で引き入れている風に加えて、台風を押し流す南風も吹き込むために相乗された強い風が吹くことになります。一方西側は台風自身に吹き込む風と南からの風が相殺して、東側ほど強い風は吹きません。 とはいえ、台風ですから油断は禁物。 台風が来ているときは家でじっとして地図でも眺めているのが一番です。 |
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