無責任的野営論

VOL.8 天気の話(2)
5.「天気図の書き方」

NHKラジオの第2放送で一日3回気象通報を放送しています。午前9時10分から30分まで、午後4時から20分まで、午後10時から20分までのそれぞれ20分間です。 ラジオたんぱでもやっていますが、私はNHKしか聞いたことがないのでそちらはよくわかりませんが、短波でも基本的には同じはずです。
これは天気図を書くのに便利な放送です。専用の天気図がありますので、そこに情報を記入していき自分の手で天気図を書きあげ、今後の天候の動きを把握するものです。

まず天気図用紙を準備しましょう。大きい本屋さんにあります。種類にNO.1とNO.2がありますが、この違いは、左に気象通報の情報が記入できる欄があるかないかの違いです。通常はダイレクトに地図に記入していきますが、慣れないうちはNO.1の記入欄がある物を使ったほうが楽です。それに、欄がないNO.2のほうは当然地図の範囲は広くなりますが、太平洋が広くなるだけですので、漁業関係ならば必要でしょうが山の場合はあまり必要ありません。

あとは鉛筆とラジオがあれば充分です。はじめてならばラジカセのほうがテープに録音できてよいかもしれません。ただし、練習とはいえテープは補助的に使うようにして、あくまでもリアルタイムで記入できるよう練習しないと実戦ですぐに役に立つ技術は身につきません。

天気図用紙をご覧ください。 日本の各地に丸印がありますね。あと大陸にもあります。(右上図参照)

放送ではこの地点の気象の情報が放送されます。次に左の欄をご覧ください。(右図参照)石垣島から始まって富士山まで54地点が記されています。気象情報はこの順に発表されますから、放送が始まったら焦らずに記入していきます。

情報は、1地点につき風向、風力、天気、気圧、温度の順で読み上げられます。これも記入欄にはその通りの順で並んでいますから大丈夫です。ではその具体的書き方です。

16方位名称
風向は16方位で発表されます。たとえば北北西の風とか北東の風とかです。 しかしそれをいちいち書いていると時間がかかります。記入するときはNNWとかNEとかSWとかで記入するようにしましょう。 慣れれば簡単です。でなければホホセとかホトとかでもOK。 要はメモですからあとで分かるようにさえ書いておけばいいのです。

風力は0から12までありますが、通常は7か8位までです。天気は記号で記入します。これは覚えるしかありません。日本の気象では通常最も使うのは、曇り、晴れ、雨です。 あとは雷雨と霧がごくたまにある程度。 雪やアラレなどは渓流釣りの季節には無縁ですから、無理して覚えなくても良いと思います。

天気記号のいろいろ


気圧は3桁の時はそのまま読み上げられますが(「998ヘクトパスカル」等)、4桁(「1015ヘクトパスカル」等)の場合は下2桁が読み上げられますので、二桁の場合は「1000」が省略されていると思って下さい。 記入するときはどちらも下二桁だけ記入します。
温度は摂氏ですのでそのまま記入します。

気象庁風力階級


6.「いよいよ放送開始」

放送が始まると、まず何時に観測した情報か言います。 地図上部の日時の欄に記入します。よほどのことがない限り、9時の放送は6時の観測、16時の放送は12時の観測、22時の放送は18時の観測です。次に概況が発表されます。これを聞きながらだいたいどの辺に低気圧や、高気圧があるか、全国の気温はどうかなど大まかなお天気を把握します。 30秒〜1分ほどで、各地の天気が始まります。

                               「石垣島では、南南西の風、風力5、曇り、998ヘクトパスカル、25度....那覇では、」というふうに淡々と読み上げられます。 聞き落としたときは気にしません。一箇所ぐらい情報がなくてもなんとかなります。 それにだけ気をとられているとその後の2〜3カ所まで聞き落としてしまいます。

富士山まで終わると、次に気象ブイと船舶からの情報が読み上げられます。 海洋ブイは地図上に3カ所記載されていますが、船舶の情報は毎回違いますし、数もまちまちです。 北緯、東経、風向、風力、天気、気圧が読み上げられます。 緯度経度は間違えないように書き取ります。

つぎに、「漁業気象です」というアナウンスがあって、(台風)低気圧と前線、高気圧の順で発表されます。 北緯、東経、気圧、移動方向、移動速度の順です。 前線は、前線が通っている数カ所の緯度、経度が発表されますのでその点をあとで結びます。
「北緯40度 東経144度には1014hpaの低気圧があって 東北東に30キロで進んでいます」というとき、私は 「40°144°14、L、ENE、30→」と書き取っています。 低気圧はL(low) 高気圧はH(high)で記します。

つぎに、何hpaの等圧線がどの緯度経度を通っているか発表されます。 これは情報数が多いので、地図の外枠下の余白に記入していきます。

これで気象通報の放送が終了します。あとは、書き取った情報を元に天気図を仕上げます。書き方は、まず風向きを記入します。○印にその方角の線を引きます。 そこへ風力を矢の羽のような模様で書き加えます。お天気は○印の中に記号を書き入れます。(天気記号を参照)
気圧は○の右肩に、気温は左肩に、それぞれ二桁で記入します。「入電無し」あるいは「天気不明」の場合は、何も記入しなくてもいいのですが、ただの○印だと「風弱く、快晴」と同じ印になってしまいますので、○の中に×印を記入しておきます。

石垣島から書き始めますが、地図上でその順番を追っていくと、日本列島を北上し、サハリン・千島列島を経て、ロシア、朝鮮半島へ行きますが、済州島まで行くと、中国に行かずに台湾へ行きます。 そこが終わってから、再度大陸へ飛んで、長春から中国大陸を南下、香港からフィリッピンを経て、小笠原諸島の父島へいって、最後に富士山です。富士山の情報を記入する欄は地図の右下にあります。
船舶からの通報は該当する緯度経度の地点に○を書き同じように記入します。

慣れてくるとリアルタイムで直接記入していくようになりますが、たとえば、風力が7〜12の時は線を引いているとそれだけで時間がかかりますので、右側をとりあえず省略して左側だけ記入しておいて、あとで書き加えるなどというテクニックを覚えるようになります

                                          つづく


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