渓流の心得





6.リリースするなら…

リリース派あるいはキープ派という事にはあまり拘りをもたないように心がけています。どちらがいいとか悪いとか、高尚だとか低次元だとか一概に決められるものではないですからね。「そうめにすと倶楽部」でもこれについての規則はありません。

ただし、一般的に言えば、最低限15cm未満のリリースは決め事として守りたいですね。だからとは言え、15cm以上ならば堂々とすべてをキープしてもいいのかといえば、それも程度の問題でしょうけど。釣れたからといって20匹とか30匹とかを一挙にキープするというのは考え物ですね。やはり、家族へのお土産程度くらいが許される範囲かなと思います。

ところが、この考えは実は釣り場によっても変わります。
渓流釣りに親しめば親しむほど、この渓が放流で保たれている渓なのか、あるいは自然繁殖によるものなのか、について敏感になってきますが、自然繁殖をしている渓ではキープは一切しない方がベターです。そういう渓流は貴重なものです。
逆に放流に頼っている渓流や頻繁に放流が行われている渓流では、節度のあるキープなら許される範囲であろうと考えます。

幸いにも、テンカラはリリースがやり易くなります。毛鉤が飲み込まれるというような釣にはならないからです。でも、リリースにはリリースの原則があります。

本当にいいのは、魚体に触らずに水中で毛鉤だけをつまんで、はずしてやることですが(その為には返しの無い針を使うのもいい)、とにかく、素手でギュッと掴んだり、あるいは真夏の砂地に引きずり上げたりしないで欲しいですね。

もしも、素手で渓魚を掴み続けると、確実にやけど状態になると考えられます。15度以下という冷たい水中を常の生息地とする彼らにとって、人間の体温(36度)は灼熱地獄と言えるほどの高温でしょうからね。 ですから、合わせた瞬間にキープするか、リリースするかを決めて行動して欲しいと思います。

一旦リリースすると決めたら、まず即座に流れに手を入れて手のひらの体温を下げましょう。それから静かに掴んで毛鉤をはずすのです。もちろん、タモをもっているならもっと楽でいいですし、手袋をするというのも少しは効果があると思います。

出来るだけ、水中で押さえながら毛鉤をはずせるのが理想なんですけど、でも、釣果を仲間に見せる楽しみまでは捨てられないでしょうからね〜(^^ゞ 

いずれにしましても、もし、リリースするのであれば、魚の体調にまで細心の注意を払ってその行為を行うべきです。とくに渓魚を掴むのには充分な注意が必要です。口はばったい言い方ですが、流行だから、とか、みんなやってるから、などという他人任せな理由ではなく、渓流と魚に感謝しつつ、この豊かな自然をいつまでも保っていく、というきちんとした動機を持ち、充分な見識と注意を払ってリリースするのでなければやっている意味はありません。             (この項担当・都筑)


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