レベルラインテンカラ講座

【第20章】実技編補足(あわせ)

テンカラ講座目次へ


毛鉤は水面下数pを流れていますか?見えますか? 大丈夫? なら、話は簡単。 

水面下数pを流れている毛鉤には渓魚はゆったりと出て、毛鉤をくわえます。 それを見て合わせればいいだけで簡単です。たいていの場合、水面下数pを自然に流れている毛鉤には渓魚はもっこり出るか、あるいは水中で反転したり、体を左右に振るようなはっきりわかる動作をゆったりと見せてくれます。 

魚体が水面上に出るような派手な出方はあまりしないはずです。 これがレベルラインテンカラの最大のメリットというか特徴です。 とにかくゆっくりと鯉が「ふ」を食べるときのような感じで出ますので、合わせは落ちついて合わせればいいだけです。 水面下を流れる自然な餌を演出すれば自然にそうなるのです。

(注)前章で毛鉤にはアクションをくわえないことと書きました。 アクションをくわえた毛鉤には渓魚は激しい出方をします。 合わせが非常にむずかしくなるからというのがその最大の理由です。 もちろん毛鉤にアクションをくわえるのを否定するつもりはありません。 初心の方にとって釣りやすい方法をと思いお勧めしないだけです。

それともう一つ。
レベルラインは軽いラインが特徴です。これにはメリットもありデメリットもあります。 実際にやってみるとわかるのですが、毛鉤に操作をくわえる為にはラインに適度な重さが必要です。ラインの重さで毛鉤を操作するといっていいでしょう。 ですから、レベルラインテンカラでは毛鉤に操作を加えるのは非常にむずかしい事なのです。 慣れればですが、もちろん可能なことは可能ですが....。
それよりもレベルラインの特徴、メリットにあわせた釣法を紹介しているつもりです。


さて、ゆっくり出ますといっても毛鉤すら見えない状態ではどうなるんだ? という問題ですが…。
前章でのラインに適度な張りと弛みをもたせる状態をキープしているのなら、これも話は簡単です。

レベルラインテンカラでは目で見ないで当たりを取ることが可能です。 これにはラインの弛みがきいてきます。 自然にフリーな状態で流れてくる毛鉤には、違和感を感じずに毛鉤をくわえたまま定位していた場所に戻ろうとします。

毛鉤にテンションを感じない限り案外長い間毛鉤をくわえているものです。ですから、毛鉤をくわえてからラインの弛みがなくなるまでの間、ごくかすかな当たりが手のひらに伝わってきます。 この時ぴしっと合わせればいいのです。 クモの糸にラインが引っかかった場合ですら手のひらに感じとれるものです。 案外手のひらは感度よく当たりをとらえることが可能ですよ(^^) 

もちろん、竿が感度悪くては話になりませんが…。 テンカラ竿の中には穂先が丈夫な方がいいだろうという短絡的な発想で、むやみに穂先が太い竿がまれにあります。
こういうのはちょっと....。  出来れば竿先は普通の太さのものを使いたいですね〜〜。 

さて、もしもラインに弛みがない状態での毛鉤に渓魚が飛びついたとします。 こういう状態では毛鉤をくわえたとたんに違和感を感じて瞬間に毛鉤を吐き出されてしまい、一巻の終わり。 手のひらにはガツーンという当たりだけが残ります。

それでは弛ませ過ぎではどうでしょうか? これは手に感じる当たりの感度が悪すぎて、合わせのタイミングを失いがちです。 ほど食い気が立っている渓魚でないとむずかしいですね。 張りすぎよりはいいでしょうけども…。

適度な張りと弛みをキープした状態では案外当たりがわかるものです。 もちろん毛鉤が目で確認出来る状態では目で見て合わせるわけですが、自然には逆光もあれば暗がりもあり見えない場合が多いものです。 手のひらに当たりを感じとろうという意識をもっていれば感じとることは簡単なのですからやってみて下さい。 これもそれなりの味わいがあります。

さて、ついでですからよく言われる<早合わせ>と<遅合わせ>についてですけど、何と言ったらいいのでしょうか。 例えば、ある本の中では「山女魚は素早い合わせが必要だから影が走ったら合わせよ」とか「毛鉤に30pくらいまで近づいたら合わせよ」というようなまるで神業の合わせを主張する方もいましたけど、まあ、どうかなあと思います。

合わせは、早くでも遅くでもなく、毛鉤をくわえた瞬間に合わせるだけでしょう。 食いつく寸前でお気に召さずぷいっとUターンする渓魚は珍しくないのですから、食いつく前に合わせるなんて事をしたら間抜けに見えてガックリくるでしょう(^^ゞ 
合わせは完璧に毛鉤をくわえた瞬間に合わせるのが一番自然ですし、一番面白いと思います。(完璧に渓魚&毛鉤が見える場合ですけどね...)

少し沈ませた毛鉤に飛びついた渓魚では、毛鉤をくわえた瞬間は見えないでしょう。 でも、毛鉤に飛びついてきた、そして体をくねらせた、あるいは反転しようと見えたらその瞬間に合わせれば間に合います。 それ以上沈んだ毛鉤の場合はこの章のはじめに説明した手感ね(^^)

ところで、釣りの用語で<きいてみる>という言葉があります。           
くわえたかどうかがわからない時には、竿先を少し煽ってみてラインを少し張ってみる事で当たりの有無を判断する事をいいます。(餌釣りですけど)

この手感に慣れると、毛鉤に飛びついたのは見えたがくわえたかどうかがわからない時に瞬間的にラインをほんの少し張って<きいてみて>当たりを判断したらそのまま合わせの動作に持っていくという高等テクニックもあります。

よく、渓魚が毛鉤を吐き出す時間は0.2秒といわれます。 でも、それは最速スピードでの話しです。 自然に流れる毛鉤を疑いもなくくわえた場合にはもっとず〜〜っとゆっくりです。 あわてる必要は全くありません。 毛鉤をくわえた瞬間に合わせれば十分に間に合います。

逆に言えば、出方が早すぎて合わせの動作にも入れないうちに、パシャッと跳ねて終わりという状態が続くならば、それはまず流し方に問題があります。 ドラグをかけないで、水面下数pを自然に流しているかを再確認して下さい。 とにかく、初心のうちは出来るだけ楽に釣れる方法をとるべきと思います。

それともう一つ。ドライでの鋭い反応を楽しむ場合ですけどね。
普通の人で、毛鉤に飛びつく渓魚を見て、合わせの指令を出し、実際に合わせに入るまで(反射神経)は0.3秒くらいと云われます。 ですから、理屈でいえば、水面上を流すドライ毛鉤に飛びつく渓魚はなかなか釣れない事になりますね。なにしろ最速スピードなら0.2秒で毛鉤を吐き出す渓魚が相手なのですから。 理屈で云えば、喰いついたのを確認して合わせては間に合わない訳です。 でも、実際にはベテランになれば仮にドライで水面上を流しても、あるいは逆引きしても、合わせに余裕があります。 合わせのスピードあるいは反射神経が磨かれる訳ではありませんよ、もちろん。

それは、<経験&予測>によるものです。

最初はとにかくゆっくり出るように自然に毛鉤を流して釣る。釣れた回数を重ねるに従い、どんな場所で、どの様に出たかは自然に頭に入ります。 ポイントを見ただけで、ここをこう流せばここで出るだろうという予測が一目でわかるようになるにはさほど時間はかかりません。とにかく、ポイントを読むのです。隠れ家はどこか?どこで毛鉤に出るだろうか? 

これが出来るようになると、出るだろうと予測した地点では合わせの準備が出来ていますので、瞬間の合わせにも対応がきいてくるものなのです。 そういう意味では、瀬を釣る事を知っているベテラン餌釣り師はテンカラの上達は早いですね。 

仮に予測がはずれて、予想もしなかったポイントで出たとしましょうか? まあ、おそらく、ベテランでも全く反応できないのが大部分でしょう。 ワタシも、いまだに「うっ」と言って硬直することがあります。 そういう時は、出の予測が外れたわけですから、流し方に問題がなかったかを問いますね、ワタシは。

慣れてきたら、誘いをかけるもよし、逆引きもよしになるでしょう(^^) 経験を積み、ポイントを読むことが出来るようになればどんなテンカラでも自在に出来るようになります。 でも、最初はとにかくゆっくり出るような釣りを心がけて、楽しみながら経験を積むことをおすすめします。

前章へ                                次章へ→


テンカラ講座目次へ    
[ホームページへ]  [総合インデックスへ]  [釣りのトップページへ]

homepage

Copyright (c)ikufu ikeda  (c)jofu tuduki
written by jofu tuduki  produced by ikufu ikeda