テンカラ講座番外編

テンカラ雑記帳


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川の下の川

皆さんの中で「阿部 武」さんという方の書いた「東北の温泉と渓流」という本を読んだことがある方はいらっしゃるでしょうか? 内容はほとんど餌釣りなんですけど、今読み返しても何らかの収穫がある本だと思います。

この中で氏は「川の下にも川があり、川の横にも川がある」と解説していますけど、最初は信じられませんでしたね。これを実感できる経験というか体験に出会えるケースは希でしょうから、なかなかわからなかったのです。

渓流に水が流れるのは、その下に川があり、両側面にも川があり、水漏れを防いでいるからであって、その地下水が岩魚の遊び場でもあり繁殖の場でもあるというのが氏の説明です。

大渇水期の蔵王ダムのバックウォーターで、初めてそれがわかった時には本当にびっくりしましたね〜〜。ちょっと上流部ではそこそこの流れがあるのに、バックウォーターでは流れが全くないのです。 で、少しさかのぼると本来の川底に大きな穴が開いていて、その下に綺麗な水が流れているのが見えたんですよ。 そして、そのすぐ上流の砂底で表の流れは消えていました。

大きく口を開けた場所で観察すると、本来の川底の厚みは案外薄いものでしたね。川の下に川があって流れているから底が抜けないんだという事を初めて目の当たりに実感出来たのでした。

その後数年経ってから、とある沢でハリスを交換しようとしてスプールを流れに落としてしまったのですけど、ラインの端はしっかりと持っていたし流れも緩い場所でしたので簡単に拾えると思って捜したのですけど...。 ところが、スプールが探せなかったんです。

ようやくわかったのは、川の横に穴が開いていてそこから入って行ってしまったという事で、当然いくらラインを引いてもスプールは回収出来ませんでした。その時初めて、案外大きな地下水への入り口がこんな風にあるんだなあと驚きもしたし、貴重な勉強にもなりました。 又、薄い川底を踏み抜いてしまった経験もあります。

これは渓の状況というか成り立ちで異なりますけど、私の経験では結構伏流になったり、普通の流れに出たりを繰り返している渓が多いと思います。 特にゴーロ状の渓で多いかな?気を付けて渓の流れを見ていると、水量が明らかに変化しているのがわかる場合があるのですけ ど、案外こういう沢は多いようですね。 あれっ、ちょっと前まで結構水量があったのにおかしいな....と思っていると急に又流れが太くなったり...。要するに、流れが地下に潜ったり、表面に出たりを繰り返しているのがハッキリと分かり易い渓があるんですね。

そんなことが判ったって何になるといわれると困るのですけどね。でも、そういう風に伏流へ自在に出たり入ったり出来る渓は渓魚に取っては棲息しやすい環境なのだろうと思っていますし、その区間では繁殖が行なわれやすいでしょうし、魚影も絶えることがないとも思うのです。

遡行する時、水量の変化を見たりして、<ここに遊び場があるな?>とか、<ここで繁殖出来そうだな>と想像したりするのもまた乙なものでしょう。

こんな視点も持っていると遡行にも楽しさが増えますよ(^^)

                                       

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